Conceptual Mathematics, Session29, Exercise1
対角線定理(Diagonal Theorem)
積を持つ圏で考える。
対象が以下の命題1を満たすならば、任意のendomap は少なくとも1つの不動点を持つ。 すなわち、を満たす点が存在する。
命題1
射が任意の射をパラメタライズできるような対象を持つ。 すなわち、と表せるような点が存在する。
対角線定理の証明
が与えられており、以下の図式が可換であると仮定する。 このとき、が不動点を持つことを示す。
ここでは対角写像である。
図式が可換であることから、任意の点に対して
が成り立つ。
また、はをパラメタライズできるので、
を満たす点が存在する。
にを代入すると
となり、が不動点を持つことが示せた。
対角線定理拡張版
Session29, Exercise1 (p.306)は、対角線定理を少し拡張した以下の定理を示すという問題である。
射が任意の射を"弱く"パラメタライズできる(weakly parameterize)ならば、 任意のendomap は不動点を持つ。
"弱くパラメタライズする"の意味
射が任意の射を弱くパラメタライズするとは、任意の射に対して 点が存在し、可換図式1のが可換図式2を満たすことである。
可換図式1
は定値写像であり、任意のに対して。
可換図式2
は任意の点。
対角線定理拡張版の証明
可換図式2のとして対角写像ととendomap の合成を選ぶ。 以下の図式において、が成り立つ。
は任意の点。
をと書くと、
が成り立ち、にを代入すると
となるので、がの不動点となることが示せた。
メモ
- amscdだと、斜めの矢印、左矢印、破線矢印が書けなかった
- XyJax を使おうとしたけど、はてなブログでの使い方がわからなかった https://github.com/sonoisa/XyJax
[tex: f(t_{\xi}, t_{\xi})]
が表示されなくて困った。t\xi
をt_{\xi}
の代わりに使った。tex苦手なので間違っているかも。